「特定技能」と「技能実習」は目的も基準もまったく異なる制度

「特定技能制度」とは
 深刻化する人手不足に対応するため、一定の産業分野に即戦力となる外国人を受け入れていくための制度です。

「技能実習制度」とは
 外国人の技能実習生が、日本において企業や個人事業主等の実習実施者と雇用関係を結び、出身国において修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図るための制度です。

 技能実習生が日本において技術や知識を学び、海外に技術移転し国際貢献をするためであり、労働力確保の制度ではありません。
  特定技能 技能実習
目的 日本の人手不足解消
(労働力となる)
国際技能移転、国際協力
(労働力として使用してはならない)
在留期間 1号:通算5年
2号:制限なし(※)
1号:1年以内
2号:2年以内
3号:2年以内(合計最長5年)
受入れ可能
(分野)
1号:14分野
2号:2分野(※)
※建設及び造船・舶用工業の2分野のみ
2号特定技能へ移行可能
1号:原則制限なし
2号:82職種・150作業
3号:74職種・130作業
(2020年10月時点)
日本語水準 ○ 日本語のテストあり × 日本語の基準なし
技能水準 1号:相当程度の知識又は経験を必要
2号:熟練した技能水準(※)
なし
送出機関 紹介会社による斡旋、及び直接採用が可能 外国政府の推薦又は認定を受けた団体
入国時の試験 技能水準・日本語能力水準を試験等で実施
(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除)
なし
受入れ対象 即戦力・技能実習2号修了レベル
(技能検定3級+日本語N4レベル)
見習い・未経験者等
人数枠 人数制限なし 人数制限あり (常勤職員の総数に応じた人数)
監理 適正就労管理機関による巡回指導受入れ 監理団体による訪問指導
家族帯同 1号:不可、2号:可(※) 1・2・3号いずれも不可
転職 可能 原則不可
コンプライアンス 外国人労働者保護のための整備ができていること 2017年 技能実習法が施行
(違法残業や賃金未払いなどの法令違反が横行したため、厚労省は監督指導を強化
賃金 日本人と同程度の賃金 日本人と同程度の賃金

特定技能
 特定技能は、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類の就労ビザ(在留資格)があります。
「特定技能1号」は、最長5年間、特定技能2号は在留期限を更新し続けることで無期限で日本に滞在することが可能です。
分野によって、「技能実習2号」から「特定技能1号」への移行が可能な場合もあります。

技能実習生
 技能実習生の在留期間(日本に滞在できる期間)は、最長5年更新をすることができます。
技能実習制度では入国して1年目の期間は、「技能実習1号」のビザ(在留資格)を技能実習生に与えます。
その後、2年目から3年目までは「技能実習2号」を、4年目から5年目までは「技能実習3号」のビザ(在留資格)で日本に滞在できます。
 ※各在留資格とも、更新手続きのほか、適宜試験等が必要となります。

特定技能への移行の流れ

このように、安定的な雇用と労働力の確保を継続できるため、「技能実習」とは目的、内容、在留期間も大きく異なる「特定技能」が、今後の有効人材として非常に注目されています。